法話・感話

秋 彼岸に想う① 「二河白道」
2019.9.22|法話・感話

ガンジスの日の出

 

この時期になると日本ならではの季節の言葉「暑さ寒さも彼岸まで」が

しっくりときます。

つい最近までの35度を超える猛暑続きの日から、夕方が早くなって気が

付けば蝉の声が虫の声に変ってきました。

 

私たちは四季折々の季節感を取り入れながら生活してきました。

仏教が生まれたインドの仏教徒は乾季雨季というより、お釈迦様に関わる

時期を大切にされてきたと聞きます。

お釈迦様誕生の4月8日は「誕生会」。悟りを開かれた12月8日は

「成道会」。2月15日は「涅槃会」と言ったものです。お盆(盂蘭盆会)

も忘れてはいけません。

 

「彼岸会」や「修正会」は仏教が日本に伝来してからのいわば

日本風土に根ざした特有のものと言ってもいいものです。

こうして見てみると全部に「会」という字がついています。

これは「法会」ということです。つまり、いろんな時期や大事な日を

ご縁として仏法にお会いする、ということなのでしょう。

私たちの日暮らしは中々余裕がなく仏法に会うことがありません。

そこで、なにかを機にして仏法を聞く時と場を設けることをされて

きたのだろうと思われます。

 

お彼岸にどのような意味があるかといえば、その日は太陽が真東から昇り、

真西に沈むことから、西方浄土に至ることと彼岸に至ることが重なって

 到彼岸の意味が示されているといわれます。しかし、実生活の上では真東、

真西かということより、やはり暑さや寒さの境といった方が実感的な

気がします。

さて、彼岸と言えばいつも思い出すのが善導大師の「二河白道の譬え」です。

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