お寺で生物学「オオサンショウウオに惹かれて」・田口勇輝氏
2024.12.7|願立寺日記

12月7日は、お寺で生物学「オオサンショウウオに惹かれて」をテーマに田口勇輝さんを講師にお迎えして開催しました。HPやSNS等ネットで興味を持たれた遠方の方々も参加があり45名参加の賑やかな会となりました。

田口さんよりオオサンショウウオに接してこられた豊かな経験をもとに深い内容を軽妙に語っていただきました。最後にはお寺が場になったという事で宗久和尚の禅の言葉で締められお見事でした。お話しの後は「どうして興味を」とか「懐きますか」「咬まれたりは?」質問が相次ぎ丁寧にお答え戴く講師の人柄にもふれることができました。最後にお土産に持ってきていただいたグッズ(オオサンショウウオのコンニャクや布コースター、クッキーや図鑑、キーホルダー、ハガキなどなど)をくじ引き抽選でプレゼントして場内、大いに湧いていました。きっとオオサンショウウオのファンが増えたと思います。

※田口勇輝:保全生物学者・オオサンショウウオ生態保全教育文化研究所所長

お話しされる田口勇輝さん

お土産のオオサンショウウオのグッズ

抽選に当たっていっぱいのグッズに迷う〇〇くん

田口さんは住職の教え子(堺市の小学校)にあたります。あの虫好きの少年が研究者になって来てくれました。冥利に尽きます!

 

12月8日夕刻の土星食(予報)
2024.12.3|

12月8日夕刻にある土星食の予報です。(見かけ月の上端を土星が掠めるように隠れます)

大阪では18時21分頃に潜入(隠れ始め)が起こり、土星は月に隠されて一時的に見えなくなり

その後18時47分頃に右手月の明るい縁から出現します。(土星は誇張して大きく描いています)

今回の食は大阪等太平洋側では、土星が月の上部(北側)を掠めるように26分間程度隠れます。

北海道や日本海側では隠れず通過するのみで、一部「限界線食」という珍しい現象が起こります。

観測ポイントによって土星の一部が隠れながらスレスレ通過ということも。

潜入18:21頃                       出現18:47頃

月が土星の手前にあることと、月がどんどん動いていることの証明です。土星が動いて隠れるように感じられますが、

実は月が動いて土星を隠すのです。

 

※上図は「IステラHD」を用いて作成しました。

桜の紅葉2024
2024.12.1|願立寺日記

12月1日今朝は快晴、第一公園の桜が色づきました。

秋は駆け足、夏長く冬が早くやってきた今年です。

🌠星空ナウ(2024年12月)
2024.11.30|

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星空ナウ(202412)

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◆一番日の暮れが早いこの時期、日が沈むと一番星は南西の空に宵の明星・金星が輝きを増してビックリするほどの明るさです。南に土星、東には木星も見えてきます。さらに夜半には赤い輝きの火星も昇ってきます。これらの惑星に加えて、明るい星の多い冬の星座も見頃を迎え、夜空はとてもにぎやかです。

ふたご座流星群は14日が極大。翌日に満月を控えてほぼ一晩明るい月が輝き、条件はよくありませんが、三大流星群のひとつでたくさんの流れ星に期待しましょう。

さらに、8日夕刻には土星食、25日未明にはスピカの食(大阪潜入03:11・出現04:14)という、月が天体を隠す現象が続けて起こります。21日に冬至を迎え夜の時間が長い時期、季節風が吹き始め夜空も澄んできれいな星空が楽しめます。風邪をひかないようにしっかり防寒を。

 

121314日未明、ふたご座流星群がピークを迎えます。8月のペルセウス群、1月の四分儀群と合わせて3大流星群と呼ばれ例年活発な流れ星が見られます。輻射点がふたご座にあるため一晩中見られますが今年は満月に近く夜空が明るいため条件があまり良くありません。1時間に4050個程見られるでしょう。

 

今年、およそ80年の周期で爆発して2等星ほどに明るくなると予想されている「かんむり座の再帰新星T星」ですが、特に変化なく西空に低くなり見えなくなり、今後は明け方未明の東に低く見え始めています。爆発し明るい時期は数日から1週間ほどと考えられるため、明け方に低く見にくいこの時期に爆発すると少し残念ですね。

1201日  新月()              (月と太陽が見かけ重なる。月明なく星がよく見える。)

1202日  ISSきぼう   (◎西北18:04見え始め〜北東仰角51°17:21東に消える)

1203日  ISSきぼう   (△北北西17:16見え始め〜北東仰角32° 18:45に消える)

1204日  ISSきぼう   (○西北西18:04見え始め〜南西42°〜南東18:09に消える)

1205日  ISSきぼう   (◎北西17:15見え始め〜天頂仰角81°〜南東17:21に消える)

1207日  大雪(たいせつ)   (二十四節季・本格的に冬が到来、山々は雪に覆われる頃)

1207日  ISSきぼう   (△西17:15見え始め〜南西仰角24°〜南東17:20に消える)

1208日  土星食    (半月前の月が土星を隠します。大阪潜入18:21出現18:47)

1209日  上弦の月    (夕方南の中天に見える半月、欠け側にクレーター綺麗)

1213/14日ふたご座流星群  (夜半から未明、1時間30個程度の流星、月明あり)

1215日  満月()               (日没時東におぼんのような月、月あかりで星空が見にくい)

1221日  冬至(とうじ)  (二十四節季・一年で一番昼が短く、夜の時間が長くなる日)

1223日  下弦の月    (未明に南に見える左半月、朝西空に白い残り月)

1224日  スピカの食   (未明に下弦後の月におとめ座の主星スピカが隠されます)

ISSきぼう」国際宇宙ステーションは、大阪から見やすい夕方のチャンスのみ記載しました。今月は27日が見やすいチャンス。明るい星が音もなく移動していくように条件により35分間見えます。コツをつかめばスマホの静止画や動画で撮影可能です。・◎高度あり見え方絶好・まずまず・低く見ずらいが視界が地平まで開けた場所なら見えるかも。

また別に、スターリング衛星が打ち上げのタイミングで夕方よく見られているようです。2等星くらいの人工衛星が1020個・・と連なって行列飛行する様子は必見です。

星空の図:国立天文台HPより(大阪の夜空もほぼ同じです)

ほうき星と智慧
2024.11.6|法話・感話

ほうき星と智慧

 今年の10月にほうき星が夕方西空に見えました。「紫金山・アトラス彗星」というのが正式な名前です。望遠鏡などを使わず肉眼で見えるほうき星は1997年に見られたヘールボップ彗星以来ですから、とても珍しい現象でした。

 「ほうき」といえば漢字で「箒」という字を使います。この漢字は象形文字で箒、帚、篲、彗といった幾つかの書き方があったようで、中でも「彗」という字は、彗星(すいせい)という言葉で今もよく使われます。彗星の別名を箒星(ほうきぼし)と言い、かつて昔の人が彗星を見て、ほうきを連想した様子が浮かぶようで、改めて漢字の奥深さに感心しました。

 「箒」と言えばお経の中に出てくる有名な話があります。阿弥陀経の始めにお釈迦さまのお弟子さんが紹介されていますがその中に「周利槃陀伽」(ハンタカ)という人が登場します。

 ハンタカさんはお兄さんと共にお釈迦さまの元で教えを学び始めますが、兄は秀才で教えを一度聞いたら忘れません。ところが弟のハンタカは直ぐ忘れてしまいます。兄さんはお前にはせっかくの教えを理解する事は無理だと実家に帰してしまいます。悲しみのハンタカの話を聞いたお釈迦様は彼のもとを訪れ話しを聞きます。そこで手渡したのが一本の箒だったと言うのです。

 「ハンタカよ、これが何かな?」「ほうき……でしょうか?」「どういう字を書く?」・・・黙り込むハンタカに、お釈迦さんはこう応えました。

 「『彗』と書く。また、これで掃くことを彗掃(すいそう)と言う。あなたにはこれから、この祇園精舎の敷地を彗掃してもらおう」

 「スイ・ソウですか?」「そう彗掃です」ハンタカは、『彗』の字がわかっても、『掃』の字を忘れてしまい、反対に『掃』の字がわかっても、『彗』を忘れてしまい、覚えることができませんでした。「彗掃まぁハンタカよ、とにかくやってみることだ」と

 そうして、自分を見つめ毎日毎日彗掃をして祇園精舎を塵一つない精舎にしたのです。やがてハンタカさんは「彗掃」の心に目が覚め、お釈迦さまの大切な弟子の一人になったといいます。

 自分が愚かであることに気づいている人は、智慧ある人なのです。愚かであるのに自分はかしこいと思っている人こそ、本当の愚か者なのです。

 彗と慧の意味もまた印象的です。一般的に「ちえ」という字は「知恵」と書きますが、仏教では「智慧」という漢字を用いるのです。彗の心です。

紫金山・アトラス彗星(2024年10月夕空に見られたほうき星)

お寺で生物学・「オオサンショウウオに惹かれて」田口勇輝氏
2024.11.5|願立寺日記

12月7日(土)午後7時から、「お寺で生物学!」を開催します。

講師に希少生物の保護活動をされている保全生物学者の田口勇輝さんをお呼びし「オオサンショウウオに惹かれて」と題して易しくお話しいただきます。公開行事で老若男女どなたも参加できます。遠慮なくお越しください。無料

Screenshot

無数の星の中を遠ざかる紫金山・アトラス彗星
2024.11.4|/ 願立寺日記

114日夕刻、紫金山・アトラス彗星を見るため奈良の山中、室生へ出かけました。暗い空で見る機会に恵まれずやっと薄明なし月なし光害少ない条件が揃いました。彗星は次第に遠ざかっているため、肉眼では見えなくなりました。双眼鏡で頭部が6等星なみの明るさ、短い淡い尾が分かりました。日に日に暗くなって尾も一時の明るさは無くなりましたが望遠鏡で写した画像ではまだまだ立派なほうき星です。天の川に入ってバックの星が賑やかになった中、去り行く彗星を見るのもオツなものです。

望遠鏡で写した紫金山・アトラス彗星

室生観測所からの夕方の西空です。曇っていたのに急に晴れ上がりました。金星と三ヶ日月が分かりますか?この後、彗星や星々が見え始めてくるところです。

帰る時山道を横切る鹿の群れです。付近の農家の方は鹿害で手をやいておられるようです。10頭程の群れで車のライトに立ち止まりました。見た目は可愛いのですが・・

🌠星空ナウ(2024年11月)
2024.10.29|

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星空ナウ(202411)

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日の入りの時刻が一段と早くなり、夜が長く感じられるようになります。夕焼けが終わると南西の空 には金星が一段と輝きを増し、日がたつにつれ高度が高くなってみやすくなってきます。宵の南の空みずがめ座には土星、そして東の空、冬の星座に混じって木星が昇ってきます。さらに木星が空高くなる真夜中頃には、東の空に火星も見えてきますので、この秋は天体望遠鏡を使って惑星たちを観望するチャンスです。まだ寒さもそれ程でない時期、各地で天体観望会が催される事があればぜひ参加してみましょう。

1118日未明、有名なしし座流星群があります。約33年周期で流星雨と呼ばれる数えきれない流れ星が見られ、住職も1966年と2001年に体験し感動したのを覚えています。最近は低調な活動で1時間に56個程見られる程度です。

今年、およそ80年の周期で爆発して2等星ほどに明るくなると予想されている「かんむり座の再帰新星T星」ですが、特に変化なく西空に低くなって見えなくなりそうです。残念。

10月中旬、紫金山アトラス彗星が夕方の西空に肉眼で見られました。大阪の空で肉眼で見られたのは1997年に明るくなったヘールボップ彗星以来17年ぶりでした。皆さんはご覧になったでしょうか。天気に恵まれずチャンスは数日でした。まさに「彗星のように現れ、彗星のように去って行く」の言葉通り、今ではすっかり暗くなって遠いとおい宇宙に帰っていきました。

別のアトラス彗星は28日に極端に太陽に近づき壊れて消滅したようです。ギリシャ神話の「イカロスの翼」の話を思い浮べますね。

1101日  新月()              (月と太陽が見かけ重なる。月明なく闇夜に星がよく見える。)

1105日 おうし座南流星群(一晩中、1時間2個程度の流星、月条件良、ゆっくり流れる)

1107日  立冬(りっとう)   (二十四節季・冬の始まり、北国から雪の便りが来る頃)

1109日  上弦の月    (夕方南の中天に見える半月、欠け側にクレーター綺麗)

1112日  ISSきぼう   (△南17:57見え始め〜南東仰角25°18:00東に消える)

1112日 おうし座北流星群(一晩中、1時間2個程度の流星、月条件悪、ゆっくり流れる)

1113日  ISSきぼう   (○西南西18:43見え始め〜西仰角45° 18:45に消える)

1114日  ISSきぼう   (◎南西17:52見え始め〜天頂仰角81°〜北東17:57に消える)

1115日  ISSきぼう   (△西北西18:39見え始め〜北西仰角27°18:42に消える)

1116日  ISSきぼう   (○西17:48見え始め〜北北西仰角33°〜北東17:53に消える)

1116日  満月()               (日没時東におぼんのような月、月あかりで星空が見にくい)

1117/18日しし座流星群  (夜半から未明、1時間5個程度の流星、まれに流星雨)

1122日  小雪(しょうせつ)  (二十四節季・寒くなり始め雪が降り始める頃)

1123日  下弦の月    (未明に南に見える左半月、朝西空に白い残り月)

ISSきぼう」国際宇宙ステーションは、大阪から見やすい夕方のチャンスのみ記載しました。今月は1216日が見やすいチャンス。明るい星が音もなく移動していくように条件により35分間見えます。コツをつかめばスマホの静止画や動画で撮影可能です。・◎高度あり見え方絶好・まずまず・低く見ずらいが視界が地平まで開けた場所なら見えるかも。

また別に、スターリング衛星が打ち上げのタイミングで夕方よく見られているようです。12等星くらいの人工衛星が1020個・・と連なって行列飛行する様子は必見です。

星空の図:国立天文台HPより(大阪の夜空もほぼ同じです)

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