お風呂のはなし
お参りでお風呂の話になりました
今は便利になりましたけど
昔のお風呂は嬉しいもんやった
風呂みたいなもん、一般のうちにはありまへん
母屋のお風呂を時々貰いにいきまんねん
水も井戸から汲んだりして貴重なもんやさかい
2~30センチぐらいしかないときもあった
夏は行水が当たり前ですわ
おっちゃんが、
「今日はお湯が仰山あるからゆっくり入っていきや」
と声を掛けてくれる
「お先に貰います」
「加減どうや」「薪一本足しとくで」
「ええ湯です」
「お先に戴きました。おおきに」
「またはいりにきいや」
これがいつものお風呂もらいの夕べでした。
けど、この頃の風呂はボタン一つ押したら全自動
ピーン
「お湯はりをします」
・・・・
「まもなくお風呂がわきます」
暫くすると
「お風呂が湧きました」と機械の声
焚きすぎもなく、ぬるくもなく、適温です。
お湯の量も測ったみたいにキッチリとしてくれまっけど
なんや淋しまんな、ほんまに。