台風一過に想う
2017.10.24|法話・感話
台風一過の夕方
大きな台風が通り過ぎました。
昔から人々は様々な自然災害をどう受け止めていたのでしょうか。
仏教では地、水、火、風の四つを、この私たちの世界を造っている根源の
事象と説いています。
それぞれのバランスが良ければ平穏無事ということなのですが、
それが少しでも偏ると私たちには手の付けようのない巨大な力となってしまいます。
地は地震、水は大雨や津波、火は大火事、風は今回の台風というように
考えてみてください。
当然の事ながら、大災害の前にいる人間はただ無力としか言いようがないのです。
そして人は、どうしてこのような災いが起こるのか、どうしてこの私が
こんな目に会わないといけないのかを、いつも考え悩んできました。
そこに大きな力への恐れが消えて無くなることはなかったはずです。
このような災害は「こんな経験は初めて」というような言葉では
片づけられない事でもあるし、消えて無くなることもありません。
「起こることは必ず起こる」と仏法は教えます。
同時に、災害は自然を壊し資源や食べ物などを使い捨てている今の私たちの
暮らしに対する大いなる警鐘と受け取ることもできるのです。
被災された皆さんの一日も早い復旧を願いながら、自身の足もとを見つめ直す
大切な機会としたいと思います。