法話・感話

ほうき星と一期一会
2025.10.25|法話・感話

🌠 ほうき星と一期一会

夕空にレモン彗星が微かに肉眼でも見えています。彗星(ほうき星)が見えるのはほんのこの数日間、宇宙の時間でいえば一瞬の光を今放っているのです。その光はわずかですぐにも消えてしまいますが、見た人の心にはいつまでも残ります。私たちのいのちや出会いも、それに似ています。

 

茶道の言葉に「一期一会」とあります。

「一生に一度の出会い」という意味です。今日あなたと出会ったこの瞬間は、二度と同じ形では訪れません。その一瞬を大切にする心が、真の礼節であり、慈しみの心です。

 

親鸞さんはこう言われました。

「本願を信ずる一念に、往生一定す。」

(本願を信じるその一念に、すでに救いが定まる)

つまり、いのちの長さや多さではなく、今この瞬間の「気づき」や「出会い」こそが、永遠につながるのだという教えです。

ほうき星のように短くても、その光が心に届けば、それは永遠のいのちのはたらきなのです。無常の世の中で、私たちは多くの別れを経験します。けれども親鸞さんの教えに出会えたこと、そしてこうして「今」語り合えることもまた、尊い「一期一会」です。

だからこそ、ほうき星のように儚くても、一瞬一瞬を光らせて生きたい。

その光が、誰かの闇を照らすかもしれません。

撮影:2025年10月23日夕べ  和田山にて 住職

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