ダックスのおかげ
2019.12.13|法話・感話
お参りでのお話しです。
そのお宅には可愛いミニチュアダックスがいました。
「いました」ということは最近亡くなったということです。
ご主人や奥さんがとても可愛がっておられましたが
5才過ぎにダックス犬特有の椎間板ヘルニアでうしろ脚が
不自由になってしまいました。
その後は、おむつをしてもらいながら10年間
暮らしたことになります。
月参りに行くと、玄関を開ける前から鳴き声が聞こえる
ほど活発で可愛い犬でした。
前足だけで上手にスルスルと走ってきますし、目が
クリッとしてとても愛嬌のある賢い犬でした。
奥さんは年齢と共に、少しお身体が不自由なところが
あって、犬のお世話が次第に厳しくなっておられました。
とても優しい方で、懸命に犬の介護をしておられる様子が
よく分かったものです。
今になって、奥さんがしみじみと仰るのです。
「私、あの子をお世話していたと思っていたら
反対に、お世話されてたみたいです」と。
「あの子を抱いたり、ご飯の用意をしたり、おむつを
変えたりしていたことが、私の腕に力を残して
いてくれたんです」
「今、あの子がいなくなって、握る力が弱くなって
きたのがよく分かります。」
「もし、あの子が居なかったらもっともっと
私の病気が進んでたと思います」
「本当に、あの子のおかげなんです」と。