みずがめ座流星群と天体衝突に想う
今夜はみずがめ座流星群の夜で、普段より多くの流れ星が見られます。
金星ほどの明るい流れ星が飛ぶと驚くことがあります。時には満月の明るさの
ものもあり「火球」と呼ばれて驚くことがあります。最近では防犯用や車載カメラが
数多く設置されるようになってレコーダーにその映像が記録され、経路が計算されて
地上に落ちた隕石が発見されるケースも増えてきました。
先ほどウイーンで開かれた国際天文学アカデミーで興味深いシミュレーションが
行われたそうです。「もしも地球に衝突する小惑星が見つかったら」というものでした。
流れ星も隕石も小惑星も大きさが違うだけで地球に衝突する岩石ということでは
同じです。流星なら数ミリ程度、火球は数センチ規模、小惑星ではメートル以上の
規模になります。今回は直径120mの小惑星が衝突の半年前に発見された場合、
現在の人類は対応できるかということがシミュレーションされたのです。
様々な途中経過も報告されましたが、結果は現在の知恵と技術をもって仮に宇宙船を
飛ばし、事前に核の力で小惑星を粉砕しようとしても衝突を回避できないと言う事
でした。最終的には衝突時刻・地点の決定と、そこからの住民避難しか方法がなかっ
たといいます。
その規模の天体衝突は6600万年前のメキシコ・ユカタン半島に衝突し途方もない
大爆発による地球規模の大災害から、恐竜をも絶滅させたことが知られています。
これは数年前に大ヒットしたアニメ映画「君の名は」の天体衝突どころの騒ぎでは
ない事が容易に想像されます。
「天文学で飯は食えん!」「役にたたん!」とよく言われます。人や社会に直接役に
立つことは分かりにくいとよく言われます。しかし何千何万もの小惑星を見つけて、
危ない小惑星を選びだす作業が始まっています。未来軌道を計算し少しでも早く
衝突時期を予測できれば、半年ではだめであった衝突も回避の手段も考えられるという
ことは分かっているのです。
今、コロナ禍で大騒ぎです。この様な感染爆発は想定外とかで大慌てで、どの対策も
手遅れで解決に至らずただオロオロするばかりの社会を見てると、いずれ必ずやって
くる天体衝突でも、人類はただ無力で絶滅の言葉しか待っていないのでしょうか。
人類は恐竜より、少しは賢かった筈です。